世界の食の都、東京。ミシュラン評価、日本の存在感

先日、授業の中で、ロンドンのミシュラン獲得数はどれくらい知っているか?30店舗以上あって、特に有名なのは、○○だ。という話があり、おや?と少し頭が止まってしまいました。私が知っているミシュランガイドは、京都でも1.5cm以上の分厚さ、東京だと2.0cmくらいある印象だったので、京都でも100店舗は優に超えるのでは?とその数の少なさにやや驚きを隠せなかったのです。(実際は、ロンドンも70店ほどありました。)

過日、ミシュラン獲得数の以下のリストを見て、日本の圧倒的な存在感に驚いてしまいました。星合計数では、東京が230店舗と突出して1位。京都・大阪は2位・4位と、同数で2位のパリ含めて、100店舗前後。三ツ星獲得では、1位で東京で13店舗、2位が京都で7店舗。いずれにせよ、日本で上位を独占。今や、世界三大料理といわれたフランス、トルコ、中華というのは、相当に遠い記憶のようです。

 

2019年度版ミシュラン都市別ランキング

f:id:Umetaro:20190827014239p:plain

出所:サイト「都市メモ」より梅太郎作成

https://worldscities.net/2018/11/29/世界の都市ミシュランの星獲得数/

※元サイトの「都市メモ」は、2018年11月段階で集計(2019年度版として整理)されているので、その時点で出版・公表されているものがベースになっているかと思います

 

日本人だから日本食が一番と思うのは当然ですが、食の豊かさを日本の外側から見た場合にも認められているんだとホッとしました。

他国での日常食としての日本食の浸透はそこそこといった感想をロンドンでもっています。NYなどだと状況は異なるのかもしれませんが、イタリアン、中華料理、インド料理(ロンドンは歴史的にインド料理が人気)の店舗数に比べるとまだまだですね。寿司、天ぷら、ラーメンなどはたまに見かけますが他の料理は少ない。時折、ヨーロピアンからも’IZAKAYA(居酒屋)’は、良いよね、と言われますが、ほとんどない。あとは、日本でポピュラーな、「焼鳥」「鰻」「蕎麦・うどん」さらに、「割烹」「懐石」などのコース料理がもう少し増えても良いように思います。

閑話ですが、自分の出身地贔屓(梅太郎は、京都出身)かもしれませんが、その地域の食に対する”こだわり”を知るという観点で見たい場合は、上の店舗数を、人口・GDP・観光客数(特に高所得者層)などとも比較をした方がフェアな気がします。仮にGDPを分母にして割ったとすると、おそらく京都が世界のトップ(次点はフランス)に君臨するのではないでしょうか。笑 ちなみに、ミシュランはご存じの通りフランスの企業で、姉妹都市は、東京と京都のようです。ミシュランの星の数には、どこか彼らの気分が表れているような気もしなくもない。

国際都市ロンドンで、大学生活を始めました

ロンドンに来てこれで半月になります。慣れない海外暮らしなので、ある種のトランス状態のような頭を引っさげながら日々の生活を送っています。こちらに来てみてよくわかったのですが、ロンドンは国際色豊かな都市で、街を歩く人々は様々な国からきています。日本からきた自分も、自然に溶け込めるような錯覚をもたらしてくれます。言語が不自由だということを除けば、道を歩いていても、非常に寛容で素敵な方々ばかりで、目が合うとスッと笑顔が返ってきて、健やかな気分で日々を過ごすことができます。 

私が通うUCLは、日本に非常にゆかりの深い大学として知られています。1963年の幕末期に、長州五傑と呼ばれる5人の日本人留学生をUCLは受け入れています。当時は、国禁として日本から出ることが幕府から許されなかった中で、長州藩が秘密裏に進めた留学でした。その一人は、後の初代首相となる伊藤博文でもあり、150年前の日本とロンドンで出会うことができる面白さを感じてしまいます。また、UCLとしてもこの出来事は大きな誇りとなっており、大学の正門すぐの場所にあるベンサム像のそばに、日本の近代化に貢献した旨の記載があり、石碑が建てられています。 

講義の中でその旨を発言した際に、中国の学生もその名前を知っていました。授業後に話をしていたら、日清戦争の際に学ぶので、当然のことながら、彼らからすればネガティブな印象が相当に強い人物だと、非常に恐縮しつつ話をしてくれたことがやや印象的でした。。(日清講話条約の高い賠償、さらに清国の陰りが他国に伝わり、その後、各国にバラバラに占領を受けた。この辺りは、世界史も日本史も受験生時代に理系という名目で逃れた私は恥ずかしながら詳しくありません。)若い世代が、世界をどのように認識をするのかは、今後の各国の世論形成そのものでもあるため、表向きの発言・裏にある思想、自国への誇り・他国への配慮、この辺りはぜひじっくりと考えていきたいと思っております。